なくした物まであと少し@はてなブログ

雑記帳やら備忘録。年1更新が目標です。

SHUFFLE!Essence+ 感想 既存ヒロイン分

基本的にネタバレなので、続きを読むからお願いします。とても長いので注意。


・楓〜自分を縛る”自制”の少女〜

アニメ版ではヒロインかと思ったら当て馬だった彼女。PC版ではあんな狂った様は見せないです。彼女の愛は純粋で、だからこそ彼女は初めの内は凛の告白を受け入れないのです。
なぜなら凛への愛情が、もしかしたら自分を許してもらう為の打算の産物かもしれない。その可能性が彼女には許せなかった。作中での解決方法は簡単です。
凛が、初めから楓の行動を許していたと伝える。それだけのことでした。
そうして楓の贖罪を終わり、彼女の愛情は純粋な物に昇華しました。
また、その直後に打算のない幼い頃に交わした、一緒にいるという約束を再び結ぶ事により、楓と凛の間に打算の関係は無かったのだと読者に伝えています。
しかし、これは良く考えてみるとおかしい。この問題は楓の内面で起きているのであって、凛が介入する余地はありません。それは凛が楓の行動を許しているという事を過去に伝えた事がある事からわかります。その時に楓の自縛が解けていない事実が示すのは、土見凛が楓を許すという事は楓の贖罪には関係なく、楓が楓自身を許す事が出来るのかどうか、という事が関係している事がわかります。なので実は、楓があそこで告白を受けるのはちょっと納得がいかない部分もあるのですが、それは土見ラバーズによる焦り、凛に思われているという事実、過去からの時間経過、色々な物が精神に働きかけた結果と見るのがいいのかもしれないです。
彼女の純愛は、ネリネの誰かの代わりの恋愛なんてものとは比べ物にならないほど真っすぐであり、もしかしたらSHUFFLE!の中で最も土見凛を愛しているのは彼女かもしれないです。


プリムラ〜”幼い恋”を抱いた女の子〜
シナリオの前半と後半でこれほど印象が変わるキャラクターも少ないと思う。きっと感情を見せるようになった彼女に泣いたお兄ちゃんは少なくないと思う。
さて、彼女はシナリオ中盤より感情をもろに出すようになるのですが、どうにもその展開が唐突過ぎて、自分はちょっと置いてきぼりを食らいました。
さて、このお話の主題は恐らく中盤で描かれている、孤独ではないのに、その事実に気付く事が出来なかったという点だと思います。というかそうであって欲しいという願望ですが。
さて、プリムラは凛が雨の中迎えに来た時に初めてリコリスの言った”りん”でなく土見凛を見たのですが、そこに至るまでのプリムラの精神を考えると中々に深い。
楓や凛との生活は確かに何かをプリムラに与えました。だからこそ彼女は孤独に耐えきれなくなってしまいました。待ち続けたリコリスは来ず、来たのは土見凛その時のプリムラの心境は想像に難くありません。


時雨亜沙花言葉は”運命”〜
さて、実は一番ギャルゲらしいギャルゲだったのは彼女でした。良くも悪くも平凡な恋の形。凛の事を知って行くうちに彼に惹かれ恋に落ちる。恋する乙女は強い。そんなシナリオ。

仕方ないじゃない。だって、好きになっちゃったんだもん

この言葉が示すとおりに彼女の行動は過去に縛られない。今の想いで凛と結ばれようとします。そんな彼女はただの恋する乙女であって、最も平凡な女子学生です。彼女の対立項は楓。それは過去から思い出を積み重ねた少女と、現在に現れた少女の戦い。だからこそアニメ版ではこの二人が対決する事になったのだと想像します。実際、楓と亜沙のシナリオはどこか似ている。
しかし、彼女にも自分を縛る過去がありました。その束縛というのは、実はSHUFFLE中一番重い物で、凛を持ってして命をかけなければどうにもならない代物でした。
確かに彼女のエゴは馬鹿らしくあるのですが、その馬鹿らしさに拘泥する姿がとても人間らしく自分には魅力的に映ってしまった。あくまでも自己満足。だけど物事の根幹の一つですよね。
実は、あのメンバーで一番女の子しています。他のメンバーが凛のハーレムを許容する中、亜沙先輩は許容しないですし、ゲーム外の人間にとって心情が一番理解しやすい人であるように思います。そういった物も彼女の人気に繋がっているのではないかと思います。

もうちょっと亜沙の束縛について考えてみます。
亜沙は別に自分が死んでもいいとは思っていませんでした。それは苦しんででも生きていかなければならないという独白に出ている事からもに明らかでした。それは至極当然のことで彼女は亜麻にとって、自分がいかに大切な存在かを理解しているのです。
それでも彼女が魔法を使わなかった理由は、凛と離れれば、発作が起きないという希望があったからです。
つまり、彼女にとって亜麻というのは凛よりも優先すべき人という事が分かります。だからこそ、彼女の”たとえ一人になったとしても”そういった独白が綴られる事になります。
ところが、作中で彼女は凛を見捨てる事が出来ませんでした。この時に彼女の中で一番大切な物が亜麻から凛へとシフトするという事態が発生しました。後の結果はゲームの通りになるわけです。


リシアンサスはいつかまた。